*** いとうゆうこ ***
〜衝撃的だった久しぶりに鳥肌立ちました〜

いとうゆうこ 衛星放送の「真夜中の王国」を見ていて知ったんだけど、その頃の私は所属事務所を辞めてイベンターさんについてマンスリーでライブをやっていたの。でも、焦りや不安でとても苛立っていた。人の紹介でいわゆるプロのミュージシャンやアレンジャー、プロデューサーに出会い、楽曲や方向性についていろいろ言われてた。聞いた自分がいけないんだけど、そのほとんどがある意味いい加減で、アドバイスというよりは批判だった。イベンターさんもいくつか絡んでいたけど、例えば衣装一つとっても「シンプルなパティ・スミスみたいなものが良い」とか「派手なロック系のものが良いとか」皆その時々に違うことを言う。いろいろと迷う間に自分が何をしたいのか分からなくなってしまう。そういう不安定な精神状態の時にテレビから流れてきた彼女の一言が私を本来の自分に戻してくれた。27歳でデビューというのは日本のメジャーシーンではかなりの遅咲き。そんな彼女はあの加藤和彦さんのプロデュースでデビューしたんだけど、そのレコーディングの話で「物凄いケンカしまくりましたよ。意見をぶつけ合って(笑)。」って。それだけでもあの頃の私には衝撃的だった。もし、自分が彼女の立場だったらきっと言われた通りにしていただろうなぁって思ったから。そして更に「そういう時最終的にはどうするんですか?」っていう質問に対しての彼女の返答は今でもよく思い出す。「自分の思うとおりにする。だって、人っていろいろいうけど、結構適当だったりするから(笑)」って。そして、そういう言葉をさらっと、でもちょっとニヒルに言いのけてしまう彼女はとってもカッコよくって「パンクスだー!」って思った。で、この『がんじがらめ』というデビュー曲のカッコよさもあって渋谷のNESTで行われたデビューライブに行ったの。これがもー、物凄く良かったの!「本物だー!!!」って鳥肌立ったよ。ライブ慣れしているっていうより、そこに立っていることが凄く自然。そして、一言一言(歌のネ)から視線の一つ一つ、しぐさの一つ一つ、その全てがあまりにも説得力を持っていた。正直、ここまで鳥肌物のライブを見ることが出来るとは思っていなかった。とにかくもちろんのってたからリズム取ったりして、体は動いていたけれど、心は彼女に釘付けで動けなかったし、涙がこぼれた曲が何曲もあった。
 アルバムも出ていて良い曲が沢山あるけれど、この人の場合はライブ見なくちゃダメ!だって、音源より100倍くらい良いもん。ある意味ここまでライブのほうが良いって言うのはメジャーでやっていくには難しいことも沢山あるんじゃないかな。だって、多分楽曲だけを音源で聞いたらここまでは好きにならなかったと思うし、ライブに行こうとも思わなかったかも。実際、ファーストアルバムを出して、何度かご招待ライブをやっただけで、その後はず〜っと消息不明です。結構いろんなBBSでファンの人が「今何してるか知ってる方いませんか?」とかって書いてるところをみると・・・。でも、この人のライブは絶対また見たい!メジャーでもインディーズでもライブでここまで人の心を震わせられるって言うのは
本物だよ。どんなスタンスでもいいから是非、またライブやってください!

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